2020 年 8 巻 1 号 p. 26-34
マイクロプラスチックの海洋汚染の深刻さが世界中で取り上げられており、食物連鎖による人間への影響も報告されている。海岸漂着ごみのうち、かなりの割合が河川由来であることも報告されている。抜本的には脱プラスチック文明の考えに基づき、プラスチック利用そのものを減らす必要があるが、当面の対処としてポイ捨ての抑止が求められる。環境省では、「海洋ごみ削減のための複数自治体等連携による発生抑制対策等モデル事業」として、2019年度に、岡山県津山市を流れる宮川と、三重県四日市市を流れる天白川で、ポイ捨て抑止の社会実験を行った。この社会実験では、これまで環境心理学や行動科学で培われてきた知見を駆使している。具体的には、アフォーダンスや社会規範などの考え方を援用し、“環境の手がかり”を操作することによる介入実験の手法を、それぞれの現場の文脈に応じて使い分けている。本シンポジウムでは、その社会実験の様子と簡単な結果速報をお伝えする。