2021 年 13 巻 1 号 p. 17-19
本シンポジウムは,子どもと住環境について生態心理学の立場から検討する.山﨑は,縦断的に収集した写真をもとに,保育室の大小さまざまなモノの移動の変遷を調べ,ヒトの集団的なレイアウト変更の特徴について報告する.西尾は,家庭環境での乳児の物の運搬行動についての縦断的データから,乳児が関わるモノに注目して,家庭という場所に潜在するアフォーダンス群の知覚探索の可能性を報告する.野澤は,Rosch のBasic object,Bateson の情報学的議論を参照して,山﨑・西尾の報告に含まれている理論的・方法論的問題を明らかにする.