本研究は,水たまり環境が乳幼児に提供する行為可能性を,実際の遊び場面の観察を通じて明らかにすることを目的とした.2023年2月から9月にかけて,近畿圏内の公立2園において計6回の動画撮影による観察を実施し,267事例から70の行為を抽出した.各撮影日で最も継続した遊び事例を詳細に分析した結果,水たまりは子どもの行為に応じて変化する「応答性」と,水と泥の混ざり具合による「グラジュアルな変容性」が遊びと関係する様子が明らかになった.事例分析から,3歳女児は約15分間でブランコ下の水たまりとの関係を変容させ,2歳男児は道具を介して水と泥の探索を展開させた.こうした環境の応答性が次の行為を誘発し,遊びの持続・展開を支えていた.保育実践への示唆として,動的で応答性のある素材を意図的に提供すること,園庭に適度な凹凸や土を残すことの意義が示された.