2016 年 9 巻 1 号 p. 22-25
1 名の乳児を対象に,寝返りを始めてから四つ這いの移動を始まるまでの発達プロセスを縦断的に観察した.寝返りをした後の腹臥位に見られる運動パターンを質的に記述し,寝返りの始まった 5 ヶ月後半から四つ這いでの移動の始まる 8 ヶ月後半まで,約 2 週間ごとに運動パターンのヴァリエーションの特徴をまとめていった.結果,様々な運動のヴァリエーションが分岐,部分的に合流しながら現れていき,それらが合流していくことで四つ這いでの移動が始まっていたことが示された.この結果は,ヴァリエーションが運動発達に関わることを具体的に示すものと考えられる.