理療教育研究
Online ISSN : 2434-2297
Print ISSN : 1349-8401
鍼実技指導における教育効果の検討
-刺鍼深度と刺鍼部上下圧を指標として-
古瀬 暢達田中 賢竹内 将文山下 仁
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2015 年 37 巻 p. 11-18

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抄録

【目的と方法】刺鍼深度練習の教育効果、刺鍼深度と刺鍼部上下圧との関連ついて検討 するため理療科2年2クラスに各3回ずつ授業を行った。初回は、スポンジに50㎜ 18号鍼で10・20㎜刺鍼、40㎜18号鍼で10㎜刺鍼を行い、その深度と刺鍼部上下圧 を測定した。 2回目は、腎兪10・20㎜刺鍼を行い深度を測定した。また、膏肓内方 1㎏圧迫による沈み込みも測定した。 3回目は、スポンジおよび膏肓内方10㎜刺鍼 を行い深度を測定した。初回は練習をせず、 2・3回目は練習後に深度を測定した。 【結果】 1.チェック用鍼管を用いた刺鍼深度練習により、目標深度に対する誤差が、50㎜ 18号鍼による刺鍼で有意に減少した。40㎜18号鍼による刺鍼では誤差の平均値は 減少したが有意差はなかった。 2.膏肓穴内方1㎏圧迫では8~13㎜の体表面沈み込みが確認された。 3.刺鍼部上下圧と刺鍼深度の相関係数はr=0.47(P=0.003)であった。刺鍼部 上下圧は刺鍼深度に影響を与えるひとつの要素ではあるが強い相関はなかった。

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© 2015 日本理療科教員連盟
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