理療教育研究
Online ISSN : 2434-2297
Print ISSN : 1349-8401
嗅覚鈍麻に対する鍼治療の1症例
古瀬 暢達鶴 浩幸
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 40 巻 p. 33-37

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抄録
【目的】風邪をひいた後に嗅覚鈍麻が持続した症例の鍼治療について報告する。 【症例】60歳女性、約1 ヶ月半前に風邪をひき、においを感じなくなった。舌診:胖大・ 淡紅舌・薄白苔。脈診:沈・緩、臓腑弁証:肺気虚弱。鍼灸針は直径0.16mmを用い、 以下の経穴に治療を行った。治療は①通竅:上星・迎香・合谷・風池・肺兪・列欠、② 清頭目:脳戸、③腰部の筋緊張緩和・筋血流改善:腎兪・大腸兪などとした。鼻症状は VAS(visual analogue scale)にて評価した。 【結果】約2ヶ月間に6回の治療を行った結果、VASは90mmから40mmへと改善し、 「様々なにおいを感じるようになった。」とのコメントが患者から得られた。 【考察・結語】本症例の嗅覚鈍麻に対して鍼治療が有効であった可能性が示唆された。 先行研究では鍼治療により鼻閉・鼻汁などの鼻症状や鼻腔通気度が改善される現象、鍼 治療が抗炎症作用を有することなどが報告されており、これらの作用が症状の改善に何 らかの影響を及ぼした可能性も考えられた。今後の課題として、嗅覚に対する鍼治療の 効果について臨床研究を含めて詳細に検討していくことが重要と考えられた。
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© 2018 日本理療科教員連盟
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