理療教育研究
Online ISSN : 2434-2297
Print ISSN : 1349-8401
傾聴技法の学習が患者接遇に与える影響について
─視覚障害教育における反転授業の活用例として─
渡部 良平水口 貴成長谷部 一成
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2019 年 41 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
【目的】反転授業を活用した傾聴技法の学習が、臨床実習における生徒の患者接遇に与える影響について検討した。併せて、反転授業が生徒に与える印象と生徒の主体性・対話性に与える影響について、先行研究の再現性を確認するための追試を行った。 【方法】弱視生徒2名を対象とした。傾聴技法の学習が患者接遇に与える影響については①患者アンケートを、反転授業の有用性については②授業評価アンケートと③授業分析を用いて検討を行った。 【結果】①患者アンケート:全6項目において傾聴技法の学習前より学習後の平均値の方がやや高かった。②授業評価アンケート:反転授業の方が通常授業より、やや肯定的な回答が得られた。③授業分析:授業時間に占めるやりとり時間の割合が、反転授業でより長かった。 【考察】①患者アンケートから:生徒の患者接遇の改善につながる可能性が示唆されたが、生徒の臨床実習の経験歴を考慮に入れることやアンケート項目の再検討などが今後の課題である。②授業評価アンケート・③授業分析から:先行研究とほぼ同様の結果が得られた。反転授業が生徒に好印象を与えること、また生徒の主体的・対話的な学びを促す授業形態となり得ることが確認された。
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© 2019 日本理療科教員連盟
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