抄録
要旨
【緒言】視覚障害者を対象とする全国の理療関係学科設置校・施設では、コロナ禍による外来受療者の減少という状況下でも、臨床実習を継続するために、学内教職員を対象とする施術を実施してきた。しかし、コロナ禍による受療者の実態の変化についての調査は行われていない。そこで生徒が体験不足となる点を明らかにするために調査を実施した。
【対象・方法】2018~2021年度の筑波大学附属視覚特別支援学校臨床実習室ののべ受療者3,477人を対象に、基本属性、主訴、施術方法を集計し、コロナ禍前2年間とコロナ禍2年間の合計数を比較した。
【結果】コロナ禍前と比較してコロナ禍では、受療者数、のべ受療者総数が有意に少なかった。基本属性では、外来受療者、女性、高齢者の割合が有意に低く、主訴では腰痛等の減少により他の症状より肩こりを訴える者が多かった。
【考察】受療者の基本属性の変化は、学内受療者の増加によるものと考えられた。また、主訴の変化には、テレワークの増加が関係した可能性が示唆された。
【結語】臨床実習の体験不足を補うためには来療機会の少ない属性の受療者を、各生徒に偏りなく担当させるための予約管理が必要であると考えられた。