抄録
要旨
【目的】視覚障害を有する実習生が、肩こり患者へのあはき施術を行う際に経過を継続的に測定評価できる有用な方法について支援機器を用いて検討した。
【方法】研究対象者は理療臨床実習の実習生15人。実習生は、臨床実習の際に指椎間距離、NRS を用いた頚部動作時での症状の程度、VAS を用いた肩こりの程度、NDIを用いて頚部の痛みによる日常生活への影響の程度について測定した。同じ患者を連続して2回〜3回施術し、継続的な評価を行った。なお、VASとNDIの測定では臨床用評価支援アプリケーション(CAST-Q)を使用した。臨床実習終了後、行った測定評価の困難度等に関する質問票に回答した。
【結果】測定評価の困難度は、頚部動作NRSとCAST-Qを用いた肩こりの程度VASで71.4%が簡単であると回答した。指椎間距離とCAST-Qを用いたNDIでは、50.0%が簡単であると回答した。
【考察・結語】NRSを用いた頚部動作時の症状の程度とCAST-QによるVASを用いた肩こりの程度の測定評価は、視覚障害を有する実習生が肩こり患者へのあはき施術を行う際に経過を継続的に測定評価できる有用な方法であることが示唆された。