理療教育研究
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特別支援学校理療科生徒の立体上の部位の定位における困難さの要因の分析
工藤 滋佐島 毅
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2024 年 46 巻 1 号 p. 33-41

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抄録
要旨 【緒言】特別支援学校理療科生徒が職業自立していく上で、位置を表す用語の理解は重要である。しかし、立体上の部位を正しく定位できない生徒がいることから、困難さの要因を明らかにすることとした。 【対象・方法】特別支援学校理療科・保健理療科生徒35名を対象に、各面が9分割されている2つの立方体模型を用いて、口頭で指示した部位に磁石を貼り付ける課題を提示した。満点者8名とはずれ値を示した2名を除外した上で、対象を低誤答群と高誤答群に分けて、対象者要因ごとに誤答率を比較した。 【結果】低誤答群は全体誤答率が4.27%で、面別誤答率に有意差は認められなかった。高誤答群の全体誤答率は24.81%で、下面、前面、内側面、外側面の誤答率が有意に高かった。 【考察】低誤答群の誤答の要因はケアレス・ミスによるものであると考えられた。高誤答群の誤答の要因は、課題が特定の用語を含むか否かとは関係なく、面の誤答も影響していないことから、立体上の特定の面における面内の位置の理解の困難さにあると考えられた。 【結語】立体上の部位に関しては、上面次いで後面における部位が、他の面と比較して定位しやすいことが明らかとなった。
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© 2024 日本理療科教員連盟
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