小学校英語教育学会誌
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研究論文
教員を志望する学生は大学で何を学べるか
―小学校外国語活動の指導に関する講義の実態調査―
内野 駿介
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2015 年 15 巻 01 号 p. 83-94

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抄録

本稿は,全国の大学で開講されている外国語活動の指導に関する講義の開講形態及び授業内容に関する実態調査の報告である。小学校教員養成課程の設置されている全国の国公立大学及び東京都に所在する私立大学において,平成26年度(一部大学は平成25年度)に開講されている講義のカリキュラム及びシラバスを分析した。 対象とした大学の90%弱で少なくとも1つの講義が開講されており,大部分の学生に外国語活動の指導のあり方について学ぶ機会があることがわかった。開講講義数は小学校英語専攻を設置している大学で最も多く,英語専攻はあるが小中の区分の無い大学や英語専攻の設置されていない大学とは著しい差が見られた。また,最も多く扱われている内容は「模擬授業」(22.86%)で,次いで「指導法」(21.25%),「教材」(9.08%),「英語力向上」(6.93%)の順であった。「模擬授業」と「指導法」が各大学で扱われている回数とその大学で開講されている授業数との間に強い正の相関が見られ(それぞれr=.85, .71),実践的な内容はどの大学でも同程度の割合で扱われていることが明らかになった。 外国語活動は英語という言語を扱う領域であり,実践的な内容を教員養成段階で扱うことは有意義である。今後教科化・時数増へと向かっていく中,本研究の結果が教員養成のカリキュラムを考える 一助となることを願っている。

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© 2015 小学校英語教育学会(JES)
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