2020 年 20 巻 01 号 p. 52-67
本稿では,2020 年度に新設される小学校高学年の「外国語科」において「読むこと」と「書くこと」が導入されることを踏まえ,公立小学校6 学年児童(2 クラス60 名)を対象に,ワークシート11 枚を用いて行った「書く活動」について報告する。ワークシートは担当教諭(担任)が,季節や児童の住む地域などに合わせて作成した独自のものである。2018 年11 月から『We Can! 2』のUnit 4,5,7 において書く活動を行い,終わった後に,質問紙調査(6 項目4 件法・自由記述)を実施した。質問紙調査の結果では,9 割近くの児童が「書くこと」に好意的であり,練習を通して「慣れた」と回答し,6 割程度の児童は難しさもあまり感じていなかった。自由記述や観察からも多くの児童が「書くこと」に興味を持ち,楽しんでいた様子が確認されている。一方,4 割程度の児童は書くことに難しさを覚え,6 割の児童は書く活動よりも歌やゲーム等の方が英語を覚えやすいと回答した。児童の個人差も大きい時期であり,段階を踏んだ無理のない指導が必要であることが示唆される。