会誌食文化研究
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年末年始の行事と食の実態調査―2017年と2020年の比較研究―
宇都宮 由佳伊尾木 将之瀬尾 弘子江原 絢子大久保 洋子中澤 弥子
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2022 年 18 巻 p. 39-47

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抄録

本調査は、年末年始の行事と食について2017年(1665名)と2020年(1605名)のアンケート調査結果を比較したものである。年末については、約7割の人が大掃除をし、年越しそばを食べていた。2017年と同様の傾向であった。しかし、おせちや雑煮などの正月料理の準備をする人は減少していた。摂取されているおせち料理は、上位がかまぼこ、煮豆、煮物、下位が魚料理で、2017年と比べて変化はなかったが、摂取率はいずれも減少していた。おせちを作る理由は、伝統的習慣だからか最も高く、次いで縁起物だからであった。子どもいる世帯は他の世帯に比べて伝統文化を継承したい傾向がある。おせちを作らない理由は、作るのに手間がかかる、おせち販売の普及、家族構成の減少があげられた。正月の過ごし方は、家族と一緒に過ごすことを大切にしている人が多く2017年と2020年で同じ傾向であった。正月3日間に雑煮やおせち料理を食べる期間が短くなっている。正月は、正月の意味や精神と伝える貴重な時間であり、ワークライフバランスを含めて考える必要がある。

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会 食文化研究部会
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