林業経済研究
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作業班班長の機能と実像(自由論題論文,1994年秋季大会)
和智 達也
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1995 年 1995 巻 127 号 p. 71-76

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抄録

林業労働力組織の最も基礎的単位たる作業班における要は班長である。とりわけ本稿で考察対象とする大和森林株式会社の班長の場合,一般的にイメージされる林業労働力組織の統括者・管理者としての機能に加えて,林業労働未経験者の教育指導という重責をも担っている。本稿においては作業班班長として彼らが如何に状況の変化に対応しながら日々の職務を遂行しているのか,そして彼らの職務遂行を支えているであろうところの使命観・価値観とは一体何であるのか等々を把握することを通じて彼らの実像を描写することに努めた。なお本稿を取り纏めるにあたって行ったアンケート調査では,大和森林株式会社全社の33の作業班のなかの21の作業班の班長(班長代行の1人を含む)から協力を得,補足的に聞き取り調査を行った。調査結果からは彼ら自身が班長としての職務に忙殺されつつも,その多くは自らの職務に生きがいを感じ,主体的に取り組んでいるということ,つまり大和森林株式会社という会社組織の1構成員として職務に打ち込める職場環境と職務に比例した処遇が前提として存在して初めて大和森林株式会社の班長として機能を発揮しているということが明らかとなった。

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© 1995 林業経済学会
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