林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
韓国における森林レクリエーションの利用特性及び利用者の意識構造に関する研究 : 北漢山国立公園の牛耳洞・貞陵地域を対象として(自由論題論文,1994年秋季大会)
金 相潤
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 1995 巻 127 号 p. 167-172

詳細
抄録

本研究の目的は,次第に増大しつつある森林の保健・休養機能に対する利用者の関心と需要を明らかにし,より合理的な森林レク利用の管理改善策策定に資することである。調査地としては,韓国の国立公園の中で年間利用者数が最も多く,唯一ソウル市域に重なる「北漢山(ブカンサン)国立公園」を選び,現在の一律的な管理・運営の妥当性を検討するため,同公園の中から「牛耳洞(ウイドン)地域」と「貞陵(ジョンヌン)地域」に分けてアンケート調査を実施した。そして,関連資料及びアンケートに基づいて利用者分析を行ったところ,両地域間における利用特性にはかなりの違いがあることが明らかになった。また,両地域での経年的な入込数の変化も顕著であり,レク利用される森林の管理施策において一律的な適用方式は,妥当でないと判断された。つまり,様々な地域特性や利用特性に適した,より個別的かつ具体的な森林レク政策の策定が必要である。ここで行ったアンケート調査と同様なものを他の森林レク地域も含めて継続的に行い,設備環境の実態や利用特性の変化,利用者の選好などを着実にデータベース化することが効率的な利用者管理のためにも重要であると考えられる。

著者関連情報
© 1995 林業経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top