抄録
森林ボランティア活動における課題である「参加者の確保」と「森林所有者との連携」の解決とその支援施策を検討するため,活動を参与観察し,ボランティア参加者と森林所有者に対してアンケート調査を行った。その結果,活動に対する参加者の満足度には,「指導のわかりやすさ」や「人との出会い」などの参加目的の達成度が大きな影響を与えていた。また,森林所有者はボランティアを情報発信者として期待し,所有林にボランティアを受け入れる条件として技術の信頼性を重視する人が多かった。さらにボランティアを受け入れる意志の形成には,森林所有者が地域森林管理に積極姿勢を持つことが大きな影響を与えていた。したがって両課題の解決には,ボランティアは,指導者の育成や学習会・交流行事などの企画,そして成果の発信や技術向上などによって参加者と森林所有者,両者の要望を満たすこと,森林所有者は共同作業や交流会に参加し,ボランティアに要望や情報を伝達すること,行政は人材育成や自主企画,両者の交流の場の設定を支援し,地域森林管理の概念を普及することが重要と結論した。