林業経済研究
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各都道府県における間伐材等由来チップのエネルギー利用量の分析
福田 淳
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2017 年 63 巻 3 号 p. 23-31

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抄録
平成24年から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まり,木質バイオマスを燃料とする発電所が急激に増加している。このうち,主に未利用木材を燃料とする発電所は,平成28年3月時点で,RPSからの移行分を含めて,75施設が設備認定済み,うち34施設が稼働中で,間伐材等由来チップの消費量も,平成27年には前年から61%増加して257万m3となった。このような中,これらの発電所に対して,既存の用途に影響を与えることなく,地域の森林から安定的に燃料を供給できるかについて,詳細な分析を行うことが急務となっている。このため,本研究では,林野庁が新たに発表した都道府県別の間伐材等由来チップのエネルギー利用量を対象として,都道府県別に,①主に未利用木材を燃料とする稼働済み木質バイオマス発電所の認定発電容量,②素材生産量との比較を行った。その結果,①間伐材等由来チップのエネルギー利用量は,稼働済み発電所の認定発電容量と正の相関を有すること,②素材生産量に対する間伐材等由来チップのエネルギー利用量の比率が3割程度以上となる県が10県あることを明らかにした。今後,地域における燃料の需給動向を正確に把握するためには,認定木質バイオマス発電所に関する更なる情報公開を進めることが不可欠である。
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© 2017 林業経済学会
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