抄録
2000年代以降における都道府県林務行政組織の変容と職務への影響を明らかにした。結果,2000年から2015年にかけて都道府県の林務職員数は約3,000人減少し,減少の割合は市町村の林務職員と同様で,一般行政部門の職員よりも高かった。背景には2005年度からの概ね5年間に地方自治体全体で進められた定員削減の動きがあると思われた。2000年代以降の林務職員数の減少は,ここ半世紀の中でも急激なもので技術系職員に強く表れた。それは職員1人が所掌する森林面積の拡大や林業関係予算の増大を招き,林業普及指導活動における普及指導時間の減少などをもたらした。今後の課題として市町村支援体制の確保,組織内に蓄積された技術や知見の円滑な継承が指摘された。