林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
山村に暮らす若年女性の生活実態と意識
宮城県登米市米川地区を事例に
高野 涼 伊藤 幸男山本 信次
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キーワード: 山村, 女性, 生活, 価値観
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2018 年 64 巻 2 号 p. 24-32

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抄録

山村への若年層の人口環流を進めるためには,若年層が山村の生活条件をどのように評価しているのかを把握することが必要である。本稿では,山村に暮らす若年女性の定住経歴と生活実態および山村の生活条件に対する評価を把握した。調査対象者は買い物などの生活を近隣の市街地で行っており,自家用車が運転できるため生活に大きな支障はなかった。一方で,山村の生活条件に対する評価は,出身地や経験にもとづく価値観の違いを背景として,①不便と評価し強い不満を感じているもの,②不満はないわけではないが,山村の生活条件を受け入れているもの,③利便性よりも山村の自然や自給的側面を重視して満足しているものまで多様性が存在することを明らかにした。以上の評価は,若年層が山村に暮らすことを選択する際の主体性や志向するライフスタイルが影響していると考えられる。

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