全国の市町村(計1,615件)を対象としたアンケート調査の回答データ(回収数:873件,回収率:54.1%)を用いて,市町村による森林総合監理士(フォレスター)の認知と期待を明らかにし,また,その関係性について分析を行った。その結果,森林総合監理士(フォレスター)という名称・役割の認知は7割弱と一定水準にあるものの,実際に自らの市町村を担当している森林総合監理士(フォレスター)の認知は4割弱と過半に満たない水準であることが明らかになった。また,共分散構造分析による分析を行ったところ,森林総合監理士(フォレスター)の認知が高い市町村ほど,あるいは林務体制が充実していない市町村ほど,森林総合監理士(フォレスター)への期待が高まる傾向にあることが明らかになった。今後は森林総合監理士(フォレスター)の認知度のさらなる向上や,市町村との効果的な連携方策の検討・実践等が期待される。
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