林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
森林経営管理制度における広域連合の役割
長野県木曽郡を事例に
江田 星來 立花 敏 茂木 もも子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 70 巻 3 号 p. 1-16

詳細
抄録
2019年に開始された森林経営管理制度の運用において市町村の業務負担増加・人員不足が指摘されている。その対応策として広域連携が期待されているが,その連携構造や活用による各主体への影響に関する研究は少ない。本研究では,全国で唯一広域連合により本制度を運用する長野県木曽郡に着目し,本制度における広域連合の役割および各主体の連携構造の解明を目的に,長野県,木曽地域振興局,木曽広域連合,6町村,3森林組合の担当者へ聞き取り調査を行った。その結果,連携内の役割では木曽広域連合が制度運用の中核を担っており,連携構造では木曽広域連合が本制度の実務全般,6町村は自らの本制度運用方針,長野県は助言やサポート,森林組合は施業実施を行っていた。広域連合の活用の結果として,6町村の業務負担軽減,全体としての経費削減,情報アクセスの効率化,ノウハウの蓄積,運用の進展が見られたことから,広域連合による本制度の運用は市町村の業務負担軽減に貢献すると推察された。他方,課題として木曽広域連合の人員配置,施業委託先の担い手確保,森林・林業関連知識を有する人材の不足等が見られた。
著者関連情報
© 2024 林業経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top