抄録
林業経済学会70周年記念論文として, 森林政策における財政と地方自治体に関する研究のレビューを行った。その結果,
財政研究については,2000年代以降,特に森林環境税を巡って財政研究者を含め多くの研究がなされたことなどが明ら
かとなった。地方自治体に関する研究は,2000年代前半の森林管理論議において自治体への期待論に基づく研究が進め
られたが,関心は次第に人員体制などの現実問題へとシフトし,市町村森林行政に関する研究が中心的に行われたこと
などが明らかになった。いずれも,個別テーマの解明や研究手法の進展に一定の成果がみられるものの,森林政策にお
ける財政や地方自治をどう捉えるかといった根本的な議論は充分になされているとは言いがたい状況にある。