抄録
本論文では2000年以降の「林業経済研究」,「林業経済」,「日本森林学会誌」,「Journal of Forest Research」にて取り上げられている木材産業関連の論文・書評を主な対象として,木材産業研究の動向を明示する。定性的研究では木材産業の変化と課題を整理したうえで,2000年以降の木材産業研究の特徴と展開について考察した。定量的研究では経済学を軸に先行研究をレビューしたうえで,林業経済学分野における今後の研究展開の可能性について,経済学における実証分
析の動向と照らし合わせながら考察した。木材産業研究では,社会・経済の変動の中でその傾向と法則性を数量的に把
握する定量的研究と,地域や組織の個別具体的な行動を事象的に把握する定性的研究の成果・理論を組み合わせつつ,
社会における森林と人間の関わり方を思案し,多様な選択肢を提示し続けていくことが重要である。