林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
小規模な原木市売市場の機能
京都府の八木原木市場の市売伝票分析
髙梨 一竹 幡 建樹芳賀 和樹柴崎 茂光 古井戸 宏通
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2026 年 72 巻 1 号 p. 101-115

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抄録
2000年以降,日本では,国産材原木の大規模需要に対応する協定取引や直送が増加し,これに伴い価格形成における原木市売市場の影響は低下しているといわれている。小論は,原木市場における小規模の原木市売市場の機能を明らかにすべく,京都府南丹地域の八木原木市場を事例として,市売伝票データ(2019年4月~22年8月)を用い,スギ4m材を径級別に買方を規模別と業種別にグループ化したうえで,価格高騰期と平準期における材積,素材単価,経営体数を比較した。分析の結果,八木原木市場のスギ4m材の市場は2つに大別された。第1は,大手合板メーカーへ納材する少数の大規模資本が主要な買方となっている中小径材(径14~28cm)の市場である。第2は,府内の中規模の製材工場,京都府外の近隣地域に位置する小規模の製材工場,府内の中規模の中間流通業者が主要な買方となっている大径材(径30cm以上)の市場である。八木原木市場は,その販売面に着目すると,素材の径級と買方の規模・業種による諸グループに対応し,大規模資本のみならず,中小規模資本に対しても,それぞれの需要に応じた原木を分配する商品配給機能を有していた。
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© 2026 林業経済学会

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