抄録
本稿では,主伐・再造林期における地域の森林資源の持続的な管理と利用を推進する担い手としての森林組合の新しい
役割を議論する。森林組合統計から,業務の重心が森林整備事業から林産事業へと移動していること,そして作業種別
でみると間伐(切捨間伐・利用間伐共に)が減少し,主伐による木材生産と造林に作業の主体が移行していることが明
らかになった。主伐・再造林が進む鹿児島県において,全国と比較して次の特徴がみられた。(1)森林整備事業での切
捨間伐,林産事業での利用間伐が大幅に減少,(2)造林の投下労働日数は純増,特に下刈りの大幅な伸び,(3)作業内
容の主伐・再造林への急速な移行である。鹿児島県の森林組合(離島を除く10森林組合)を対象とした事例調査の結果,
各地で主伐による木材生産量が増加しており,間伐から主伐に事業の主軸が移行していることが明らかとなった。今後
は,森林組合がコスト意識を保持しつつ,同時に地域の多様な主体と連携して森林資源を適切に管理する共同体を緩や
かに構築していく必要があり,その中核的な主体として森林資源の将来に対する責任を果たすことが求められる。