2016 年 13 巻 1 号 p. 145-148
当科におけるポリフォーム使用Tenshion-free vaginal mesh(TVM)手術、Laparoscopic sacrocolpopexy(LSC)の初期成績を検討した。術式選択は、比較的若年(70歳以下)または 性交渉ありでLSC、そうでなければTVM手術とし、Aa点が脆弱であればElevate型、そうでなければUphold型を基本とした。手術成績は、LSCにおいて手術時間が有意に長かった。術中、術後に重篤な合併症はなかった。解剖学的成績は観察期間が平均9.4ヶ月と短期ではあるが、StageⅡ以上の再発は2例で、非再発率は97.4%であった。機能的成績としては、評価項目すべてに有意の改善が見られた。尿失禁の有無に関しても新たな腹圧性尿失禁を1例認めたが、全体では術前に比べ10%程度減少した。TVM手術での仙棘靭帯へのアプローチ別に検討すると、前壁から直接の方が、子宮頸部から後壁を経るより有意差はないものの出血量、手術時間とも少ない傾向があった。