日本女性骨盤底医学会誌
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生体腎移植後の膀胱瘤、腹圧性尿失禁に対し膣前壁補強術、透視下TVT手術を二期的に行った一例
小内 友紀子尾本 和也田邉 一成
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2016 年 13 巻 1 号 p. 149-151

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抄録

免疫抑制剤を内服している場合、一般的にメッシュ等の人工物を使用する手術は適応外とされる。今回当院で、生体腎移植後の膀胱瘤、腹圧性尿失禁(SUI)に対し、膣前壁補強術およびTOT手術を行った後、残存する腹圧性尿失禁に対し二期的にTVTスリング手術を透視下に行った。74歳女性、3回経妊、3回経産、200X年原疾患不明の腎不全にて血液透析導入。200X+3年夫をドナーとして生体腎移植術を施行。尿失禁と陰部下垂感を主訴に4月に当科を紹介初診。SUI、膀胱瘤と診断し免疫抑制剤内服中のためリングペッサリー挿入をすすめた。リングペッサリー挿入後SUIが悪化、QOLも低下し、患者、患者家族ならびに腎移植の主治医とよく相談の上、8月に膣前壁補強術ならびにTOT施行。術後3カ月でパッドテスト130gとSUIの再発を認めた。膀胱瘤再発なし。2015年1月、全身麻酔下、透視下でTVTスリング手術を行った。

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