2016 年 13 巻 1 号 p. 55-59
【目的】Tension-free vaginal tape (TVT)手術は腹圧性尿失禁に対して効果的かつ低侵襲な手術である。この手術の最大のポイントはテープのテンショニングであり、術後の成績を左右する。cine MRIを用いてTVT術前の尿道過可動の程度と手術成績について検討した。【方法】対象は2013年10月から2014年12月までに四谷メディカルキューブにてTVTを施行した45名。全例で術前にcine MRIを施行。中部尿道の安静時と腹圧時の移動距離を計測した。【結果】平均年齢は 59.5 歳(38-81)。41人が術後失禁は認めず4人に尿失禁が残存しテープ縫縮を要した。両群間で年齢、出産回数、BMI、術後Qmax 、残存TVTテープ長、には有意差は認めなかったが、テープ縫縮群で尿道過可動の程度が有意に強かった (P=0.041)。【結論】テープの張力設定前に尿道引き下げ操作(UPDP)は必須と考えられるが、尿道過可動の重症な症例では、UPDPにより尿道が必要以上に下垂した状態で張力設定を行うため、テープの張力が十分ではなかった可能性が考えられる。