妊娠に合併する子宮脱は稀な疾患であるが、妊娠予後に重大な影響を与える。その臨床経過や管理について解明されているとは言えない。今回我々は妊娠中に子宮脱を合併した2症例を経験したので、臨床経過と管理法について述べる。2症例は、子宮頸管のリングペッサリーすり抜けを予防するため、膜付きリングペッサリーで管理し、早産、感染、産道損傷などの合併症なく経過した。また、医学中央雑誌を1985~2023年分で「子宮脱」「妊娠」で検索し、疫学、治療法、分娩、などについて分析した。検索して得た31症例のデータでは、ペッサリー使用9例中8例(89%)で頸管を腟内に挙上するのに有効と判定されていた。分娩経路が記載された29症例中20例(69%)が経腟分娩であった。妊娠中に子宮脱が軽快した症例では経腟分娩が87%であり、このような場合は経腟分娩を選択できると考えられる。膜付きリングペッサリーは妊娠中の子宮脱症例に用いて、ペッサリーすり抜けに対して有効と考える。