抄録
DNAチップや次世代シークエンサーなどの技術の汎用化を背景に、育種速度を高度に向上させる技術として、高密度のDNAマーカーを用いて表現型を支配する遺伝子を検出するゲノムワイドアソシエーション解析(GWAS)や、遺伝子型情報から表現型を予測し選抜を行うゲノミックセレクション(GS)などの手法が動植物の育種の世界で注目されている。本報告では、関東育種基本区のスギ精英樹の材質および雄花着花量を対象に行ったGWASおよびGSの結果を報告する。精英樹337個体3,768SNPsのデータを用いたGWASの結果、材質および雄花着花量それぞれ18座と10座の有意な相関のあるSNPが検出された(p<0.01)。blastx検索の結果、材質と最も高い相関を示した遺伝子座はmicrotubule-associated proteinとの相同性が認められた。雄花着花量と最も高い相関が検出された遺伝子は既知のタンパクとの相同性は認められなかった。一方でRidge回帰による予測モデルの構築では、5分割の交差検証法により予測精度を検証した結果、雄花着花量において材質の5倍程度の比較的高い予測精度が得られた。