抄録
針葉樹では有用遺伝子単離のためのBAC(Bacterial Artificial Chromosome)ライブラリーの構築はマツやトウヒの数種でしか行われていない。これは針葉樹のゲノムサイズが巨大(10-20Gb)であるためである。しかし現状では将来の分子育種や遺伝子研究のためにはこのBACライブラリーは欠くことのできないものである。スギのゲノムサイズは約11Gbと言われているため、スギのゲノムをほぼ網羅するライブラリーを構築する必要がある。現在、構築したスギのBACライブラリーはスギのゲノムサイズの約4倍量のもので368,256クローン(平均インサート長、約130kb)から構成されている。この中から無作為に選んだBAC16クローンの塩基配列を次世代シークエンサーで解析した。その結果、GC含量は37.07%で、スギ等の裸子植物ではゲノム中のトランスポゾンの割合が低く、LTRレトロポゾンが多くDNAトランスポゾンの割合が少ない傾向で、繰り返し配列の割合が高いことが分かった。またBACの塩基配列では100kbあたりまでほとんど連鎖不平衡は減衰することがなかった。