日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: A03
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国家森林資源調査における土壌侵食調査と持続可能な森林管理
*三浦 覚金森 匡彦大萱 直花金子 真司永目 伊知郎
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抄録

土壌は持続可能な森林管理の基盤の1つである。全国スケールの国家森林資源調査と森林土壌調査データを利用して、森林モニタリング調査における土壌侵食調査の有用性について検証した。解析には、2009-2011年度の土壌侵食調査データ(林床被覆率および土壌侵食痕[土柱、リル、ガリー])7427点と2006-2010年度の深度別炭素蓄積量データ1278点を利用した。土壌侵食痕は14%の地点で出現した。土壌侵食痕の出現は、傾斜が急な林分(P<0.001)や林床被覆率が低い林分(P<0.001)で多かった。土壌侵食痕が出現した林分の0~5cm深の土壌炭素蓄積量は、出現しなかった林分より16%少なかった(P<0.001)。15~30cm深ではその違いは28%(P<0.001)とより大きくなった。以上のことから、林床被覆率と土壌侵食痕のモニタリングは、炭素蓄積量などの森林土壌の保全状況を評価する有用なモニタリング指標であることを明らかにした。また、0~5cm深と15~30cm深の土壌炭素蓄積量の違いは、健全な森林資源の育成管理が土壌資源の保全に役立っていることを示唆していると考えられた。

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© 2013 日本森林学会
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