抄録
【目的】国内に広く分布する針葉樹一斉林を対象に針広混交林化、広葉樹林化を目的とする間伐が行われている。しかし、間伐を行った際に形成される林縁木は環境変化から様々なストレスを受けやすくなる可能性があると考えられ、ヒノキ林では林縁での枯損木の発生が経験的に知られている。林縁木の枯損を防ぐためには、その発生メカニズムを明らかにすることが重要である。枯損の原因として大気飽差の増大や強光阻害などが挙げられるが、詳しいことはいまだに分かっていない。本研究では、伐採により林縁木となったヒノキを対象に、種々のストレス評価パラメーターを継続して測定し、対象木と比較しながら、林縁木のストレス評価とその要因について検討する。【方法】実験は静岡県浜松市天竜フィールドのヒノキ(Chamaecyparis obtusa)林で行った。測定木に対して処理前1ヶ月間樹幹におけるキャビテーション発生回数、樹液流速を計測した。その後、林縁に面した一列のヒノキを伐倒し、新たな林縁木を創出した。伐倒後も継続して上記の項目を測定し、二週間から1ヶ月に一回ずつ樹冠上部のシュートにおける水ポテンシャルと最大量子収率の測定を行った