抄録
60年生ヒノキ人工林に対して行われた強度間伐の影響を,15年後の75年生時に評価した。強度間伐によって低木層から亜高木層が発達したが,そのことにより林床の植生は衰退した。下層植生(亜高木,低木,林床)は現存量で5%を,NPPで18%を占めており,炭素固定機能に大きな貢献をしていると考えられた。下層植生の純一次生産の大半は葉リターに分配されており,土壌への炭素供給が加速化されていることが示唆された。一方で,低木層に発達した64種のうち種子散布を行っているのは11種に過ぎず,現段階では,植物の種多様性が持続されるフェーズにはいたっていないと考えられた。