日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: H2
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学術講演集原稿
四国山地三嶺山域さおりが原における防鹿柵設置の効果
*池田 華優石川 慎吾比嘉 基紀
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抄録

四国山地三嶺山域さおりが原ではニホンジカの過剰な採食圧により衰退した植生を回復させることを目的に2008年から2016年までに5箇所に防鹿柵が設置された。本研究では、5箇所の防鹿柵を対象に2種類の植生調査を行った。1つ目は、各柵内において2×2mの方形区を5箇所設置し、計25箇所の方形区を植生調査した。2つ目は、早く設置した方の柵の境界を基点に隣接する柵の柵内において境界から遠ざかるように、幅1m,長さ20mの帯状調査区を計4本設置し、さらに調査区を1m×1mの計20箇所の方形区に区切り、計80箇所を植生調査した。調査の結果、早く設置した柵ほど柵内の植被率,種数ともに高く、マネキグサなどの希少種の回復も確認された。また、初期に設置された柵に比べ8年間のシカの採食を受けた2016年設置の柵に関しても、種数,植被率の増加が見られ、防鹿柵の植生保護効果が認められた。また、帯状調査区の調査結果からは、設置年の早い柵において柵の外側に向けて個体の進出が見られ、植生が回復した柵の周辺の採食圧が排除された場合、植生の回復範囲が柵内にとどまらず拡大していくことが予想された。

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