日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: H5
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学術講演集原稿
西南日本冷温帯混交林の初期更新過程
*清野 達之石川 愼吾山中 三男
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抄録

 石鎚山系のブナとウラジロモミが混交する西南日本の冷温帯混交林の初期更新機構を解析するために,林冠ギャップ下の稚樹実生の組成と構造に着目した調査を行なった.同時に空中写真を用いて,林冠ギャップと林冠種であるブナとウラジロモミとブナの分布状況の解析を行なった. 空中写真判読から,林冠ギャップは数個体の倒木や枯死よるものと推察された.ウラジロモミとブナの林冠木は,類似した立地環境下で生育していたが,ウラジロモミの方がブナよりも標高の高い所で分布する傾向がみられた. 林冠ギャップ下の稚樹の樹高階分布は,樹高3m前後に集中していた.ウラジロモミは個体数と胸高直径のいずれもブナよりも大きな値を示していた.ブナの稚樹は個体数が少なく,更新状況が良くなかった. ウラジロモミの節間成長痕跡から推定した樹齢分布の結果から,1964年から1966年にかけて石鎚山系一帯でみられたササ枯れ現象が,現在のギャップでの更新に大きく影響していることが判明した. 今回の結果から,林冠ギャップ下ではブナよりもウラジロモミの方が良好に更新していることが分かった.そのギャップ更新はササ枯れを契機に一斉に行われたことが示唆された.

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