日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: L8
会議情報

学術講演集原稿
抗生物質処理によるビロウドカミキリ体内のボルバキアの除去
*相川 拓也前原 紀敏升屋 勇人中村 克典安佛 尚志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

ビロウドカミキリは、針葉樹と広葉樹の両方を宿主とする森林性のカミキリムシ科昆虫である。これまでの研究により、本種には宿主昆虫の生殖機能を操作することで知られる細胞内共生細菌ボルバキアが感染していることが示されている。このボルバキアがビロウドカミキリに生殖操作を行っているのかどうかを明らかにするためには、ボルバキアに感染しているビロウドカミキリ(感染系統)と、感染していないビロウドカミキリ(非感染系統)を用いた系統内・系統間の交配実験が必要になる。そこで本研究では、感染系統のビロウドカミキリ1齢幼虫に抗生物質(テトラサイクリン)入りの人工飼料を与えて成虫になるまで飼育し、体内のボルバキアを除去できるかどうかを検討した。その結果、抗生物質濃度0.1%または0.5%の人工飼料を与えた処理区では、感染成虫と非感染成虫の両方が出現したが、1.0%濃度の処理区ではどの成虫からもボルバキアは検出されなかった。したがって、抗生物質濃度1.0%以上の人工飼料でビロウドカミキリ幼虫を飼育することで、非感染系統を人為的に作出できることが示された。

著者関連情報
© 2018 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top