主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
ビロウドカミキリは、針葉樹と広葉樹の両方を宿主とする森林性のカミキリムシ科昆虫である。これまでの研究により、本種には宿主昆虫の生殖機能を操作することで知られる細胞内共生細菌ボルバキアが感染していることが示されている。このボルバキアがビロウドカミキリに生殖操作を行っているのかどうかを明らかにするためには、ボルバキアに感染しているビロウドカミキリ(感染系統)と、感染していないビロウドカミキリ(非感染系統)を用いた系統内・系統間の交配実験が必要になる。そこで本研究では、感染系統のビロウドカミキリ1齢幼虫に抗生物質(テトラサイクリン)入りの人工飼料を与えて成虫になるまで飼育し、体内のボルバキアを除去できるかどうかを検討した。その結果、抗生物質濃度0.1%または0.5%の人工飼料を与えた処理区では、感染成虫と非感染成虫の両方が出現したが、1.0%濃度の処理区ではどの成虫からもボルバキアは検出されなかった。したがって、抗生物質濃度1.0%以上の人工飼料でビロウドカミキリ幼虫を飼育することで、非感染系統を人為的に作出できることが示された。