日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P2-235
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学術講演集原稿
広域を対象としたニホンジカ生息密度分布の変動
*近藤 洋史久保 慎也桑野 泰光林崎 泰川中 守豆田 俊治井上 万希小泉 透
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抄録

平成29年版森林・林業白書によると、シカ・クマなどの野生鳥獣の生息域の拡大などを背景として、野生鳥獣による森林被害が深刻化しており、2015年度の森林被害面積は全国で約8千haと報告されている。このうち、ニホンジカによる枝葉や樹皮の食害が約77%を占めており、森林の有する多面的機能に影響を与える可能性もある。シカの生息密度の分布状況は、シカを管理していく上で、基本的な情報と考えられる。近年、シカ生息密度の空間分布を予測する手法が開発されつつある。しかし、シカの生息密度調査は、都道道県などの団体を単位として異なる年度で実施されており、近接の団体の生息密度調査データを、単純にとりまとめただけでは、正確な生息密度分布を求めることはできなかった。特に、県境部などの境界部にシカの生息地が広がっており、その地域の生息密度分布を正確に把握する必要がある。そこで、九州本島地方でシカが生息しており、県境部が接している各県の直近の生息密度調査結果をもとに、広域を対象としたニホンジカの生息密度分布状況を示した。そして、これまでのシカ生息密度分布と比較して、生息密度分布の変化を検討した。

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