看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
ISSN-L : 2188-4323
原著
健常成人を対象とした振動器内蔵エアマットレスを用いた下腿局所低周波振動の血流増加持続効果の検証:予備調査
幅 大二郎西出 彩香紺家 千津子北村 言真田 弘美松本 勝
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2025 年 13 巻 p. 64-74

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抄録
【目的】本研究は,振動器内蔵エアマットレスを用いた下腿部への局所低周波振動が健常成人の踵部および下腿部の血流に与える持続的増加効果を検証することを目的とした.【方法】健常成人12 名を対象に,1日間のウォッシュアウト期間を設けたランダム化クロスオーバーデザインにより,15 分間の振動介入と対照条件を比較した.血流,皮膚温,主観的評価(心地よさ,不快感,しびれ,痛み)をベースラインおよびフォローアップ時に測定した.血流はレーザー組織血液酸素モニターにより,踵部静脈叢および大伏在静脈に近接する皮膚表層で評価した.【結果】介入後,総ヘモグロビン値および酸素化ヘモグロビン値は有意に上昇し,踵部では105 分間,下腿部では75 分間持続した.皮膚温と主観的評価に有意差はなく,有害事象も認められなかった.【結論】下腿局所低周波振動は血流促進とその持続効果を示し,非侵襲的循環ケアとして有用性が示唆された.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→従来のマットレス下挿入型振動器では臨床的課題が多かったため,マットレスに内蔵する振動器を着想した.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→難治性創傷の治癒促進だけでなく,非拘束な低周波振動ケアによる血流促進で深部静脈血栓症予防にも貢献できる可能性がある.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→マットレスによる褥瘡管理に積極的な振動ケアで「寝ることで褥瘡を早く治す」技術の開発.
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