日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: T2-2
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学術講演集原稿
きのこ原木生産に資するためのコナラ立木の汚染状況調査
*小川 秀樹櫻井 哲史吉田 博久
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抄録

東京電力福島第一原子力発電所事故後にきのこ原木の指標地が50㏃/kgに定められたことから、福島県内の多くの地域では原木生産が困難な状況にある。県内のコナラをきのこ原木として安全に利用するため、コナラ立木の汚染状況を調査した。調査は福島県内の2つのコナラ林で実施した。2016年8月には相馬市内のコナラ林(相馬調査地)において16本の立木を、2017年9月には塙町のコナラ林(塙調査地)において15本の立木を伐倒した。伐倒後に上段、中段、下段の3段階の高さで厚さ約5~10㎝の円盤を採取した(相馬調査地 n=48、塙調査地 n=45)。円盤を外樹皮、内樹皮、辺材、心材別に粉砕し、気乾あるいは全乾として重量を測定後に、U8容器に詰めてGe半導体検出器により乾燥重量あたりの137Cs濃度を求めた。その結果、両調査地ともに外樹皮の137Cs濃度が最も高く、ついで内樹皮>辺材>心材の順に濃度が低くなる傾向が見られた。また各部位の137Cs分布割合は両調査地で異なっていた。

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