主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
国民の約4割が罹患するといわれるスギ花粉症への対策として、花粉を全く飛ばさない無花粉スギの利用が進められている。組織培養技術は、無花粉スギ苗を大量に増殖する手法として期待されるが、培養の過程で、無花粉となる細胞系統の選抜が必須となる。無花粉の原因となるMS1遺伝子の変異そのものが明らかとなったことから(4 bp del: ms1-1, 30 bp del: ms1-2)、この変異をマーカーとして直接用い、組織培養に由来する無花粉の細胞系統の簡易かつ効率的な選抜をおこなった。ms1-1の判定のため、1度のPCR反応で判定可能な、one-step indel genotyping(ING)マーカーを設計した。30 bp欠失のms1-2の判定には、増幅産物の長さの違いで判断するallele length polymorphic(ALP)マーカーを用いた。これらのマーカーを用いて組織培養初期の不定胚形成細胞の判定を行ったところ、100%の精度で無花粉かどうかを判別できた。本研究ではさらにDNA抽出の簡易化にも取り組み、1試料当たりわずか15分でDNAを抽出する手法を開発した。これらの手法はどれも高額な機器を必要としないため、無花粉スギの選抜技術として様々な現場への普及が期待される。