日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: S1-4
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学術講演集原稿
機能証明実験による無花粉スギMS4原因遺伝子の同定
*角井 宏行伊原 徳子長谷川 陽一二村 典宏岩井 淳治樋口 有未藤野 健鈴木 穣笠原 雅弘山口 勝司重信 秀治大谷 真広中野 優上野 真義森口 喜成
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キーワード: スギ, 一塩基多型, 相補実験
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抄録

スギの無花粉形質を制御する遺伝子座の1つ、MS4 (MALE STERILITY 4)は、潜性ホモ接合(ms4/ms4)で無花粉形質を示す。我々はこれまでに分離集団を用いた連鎖解析によりその遺伝子座を明らかにしてきた(Moriguchi et al. TGG 2016; Hasegawa et al. PLoS ONE 2018)。MS4の原因遺伝子の同定を目的に、MS4座のさらなる絞り込みを行い、RNA-seqによって雄花で発現する遺伝子を探索したところ、シロイヌナズナおよびイネで花粉発達に必須の遺伝子である TKPR1 (TETRAKETIDE α-PYRONE REDUCTASE 1) が含まれていることがわかった。スギCjTKPR1の野生型と変異型のアミノ酸配列を比較したところ、わずか1塩基置換に起因する1アミノ酸置換のみが検出された。この1塩基置換が無花粉スギMS4の原因変異であるかどうかを明らかにする目的で、無花粉のシロイヌナズナTKPR1変異体にCjTKPR1の野生型配列もしくは1塩基置換した変異配列を導入し、花粉生産が補完されるかを解析した。その結果、CjTKPR1の野生型配列を導入した個体は花粉生産が回復した一方で、変異型配列を導入した個体は無花粉のままであったことから、CjTKPR1の1塩基置換が無花粉スギMS4の原因変異であると考えられた。

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