日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-347
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学術講演集原稿
スギの髄の酸素同位体比から日単位で降水量を復元する試み
*久保田 多余子香川 聡
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抄録

年輪年代学では年輪のセルロース中の酸素と水素同位体比を用いて、過去2千年以上の降水量が1年という高い時間分解能で復元されている。この手法を用いれば、降水観測が行われる以前から現在までに、100mm/dayを超えるような大雨の発生頻度が気候変化の中で増加しているかどうかの解明に役立つと考えられる。しかし、1年という時間分解能であっても、その間に降った雨の同位体比が平均化されて大雨の特定が難しい。1年輪をさらに細かく切って分析することは年輪幅が狭い場合は困難である。一方、樹木の成長速度は肥大方向よりも伸長方向に100倍程度大きい。そこで、本研究では、髄を伸長方向に分割して酸素位体比を分析することにより、日単位で降水量を復元することを試みた。そのため、スギ苗木の髄の成長量を週1回計測するとともに、苗木の髄を0.5mm厚さ(2時間程度に相当)に分割して酸素同位体比を分析した。そして髄の酸素同位体比とその髄が形成されたと推定される時期の降水量とを比較したところ、1mm/hour以上の降雨があったときに形成された髄の酸素同位体比は、無降雨時に形成された髄より2-5‰程度低く、日単位で降水量を復元できる可能性があることが分かった。

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