日本ファジィ学会誌
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免疫細胞間協同作用および抗原との共進化現象を用いた免疫的分業問題最適化手法の提案と評価
當間 愛晃遠藤 聡志山田 孝治宮城 隼夫
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2002 年 14 巻 6 号 p. 616-629

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抄録

本論文では,マルチエージェントシステムにおける分業問題最適化を目的とした,免疫系と抗原との共進化現象を応用した免疫的最適化手法を提案する.先行研究[7]において提案された競合型アルゴリズムでは,個々エージェントとエージェント全体における最適性とのバランス調整が困難であり,実問題への応用に当たりそれらを解消する必要があった.本手法は,免疫エージェントの細胞間協同作用による作業コスト最適化と抗原エージェントの逃避行動による平等な作業配分獲得に基づく探索を基本動作とする.抗原エージェントの逃避行動は,効率良く作業を行っている免疫系の最適化行動を妨害することで免疫エージェント全体の作業コストを平等に配分するように実装しており,免疫エージェントによる最適化との相互進化によって分業解を獲得することが可能である.計算機実験では,提案手法の基本性能および探索性能を評価するために典型的な分業問題の一つである分業巡回セールスマン問題へ適用し,考察する.

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© 2002 日本知能情報ファジィ学会
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