抄録
生カキの鮮度判定において、コハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)活性、pH およびアンモニア濃度の3つの生化学的指標を用い、ファジィ推論を適用して客観的な鮮度判定を試みた。このとき、簡略化推論法を適用し、メンバーシップ関数および後件部ルールのチューニングを実施した結果、前報で報告した場合より、熟練者の官能検査とより高い相関関係を示し(r=0.947)、チューニングの効果が確認された。またメンバーシップ関数を種々のタイプのものに変化させ、ファジィ推論の有効性を検討したが、メンバーシップ関数のタイプは判定点に大差を与えなかった。さらに、従来用いた相乗平均法よりも常にファジィ推論を適用した方が官能検査と判定点に高い相関が得られ、ファジィ推論適用の有効性が再確認された。