機能水研究
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ミネラルウォーター -健康にとって美味しい水は名水か-
安井 昌之
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2009 年 4 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

水道水を嫌って、ミネラルウォーターと称してペットボトルの飲料水の需要が年々増加している。徹底した汚染物質の除去や、味覚的に美味しい水を求める風潮がある。しかし、ミネラルが関与する中枢神経変性疾患で、発症後3年で死亡する筋萎縮性側索硬化症(ALS:アミトロ)や、パーキンソン痴呆症候群の世界の3大多発地(グアムや紀伊半島南部、西ニューギニア、図1)の環境分析から、飲料水がこれらの病因に起因すると考えられている。つまり河川水や土壌中の低カルシウム(Ca)・低マグネシウム(Mg)、高アルミニウム(Al)含有量が、それら疾患の病因に関与していると推定されている。  これら疾患の中枢神経組織でCa代謝異常が存在し、他のミネラル代謝にも影響を及ぼすことが判明したほか、紀伊半島ALS多発地を中心に多く発生している脊椎靭帯石灰化症の脊椎骨と脊椎靭帯のCa、Mg量の分析の結果、ALSの中枢神経組織での類似性が判明した。そのため今後、カルシウム、マグネシウムなど、ミネラルの摂取異常が病因に関連する疾患の存在する可能性が示唆され、味覚よりミネラルバランスのとれた水について注目する必要がある。

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© 2009 日本機能水学会
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