2019 年 36 巻 p. 24-43
本研究では、学習方法の自己選択を導入したアクティブラーニング型授業における学生のグループ学習の行動と主観的評価の調査を通して、今後の授業改善に向けた検討を行った。グループ学習のメンバー編成方法は、教員の指定による編成と学生の任意による編成の2 種類を設定した。授業を実践した結果、グループ編成方法の選好と成績区分との間には関連性のあることが認められ、成績「可」の学生については、教員による指定編成を選好した者がひとりもいなかったことがわかった。また、それらの学生の一部は、指定編成における他者に対する援助要請の困難に伴って、学習目標への到達が不十分となっていたこともわかった。これらの結果を踏まえ、とりわけ学習に困難を抱える学生に対する学習方法の選択やグループ学習を遂行するための段階的支援のあり方など、アクティブラーニングの促進に向けた今後の実践上の改善点について考察した。