2018 年 13 巻 2 号 p. 149-158
本論文は,2016年8月末に襲来した台風10号による被害を分析したものである。台風によって発生した豪雨は東北地方や北海道で多くの被害をもたらした。本研究では,特に東北地方において被害の大きかった岩手県内の被害を対象とする。地盤工学および河川工学の観点を含めており,地盤工学については主に土砂災害の被害を分析し,河川工学については,多くの死者が発生した岩手県乙茂地区の洪水被害に焦点をあてた。また,これらの結果に基づいて,今後の豪雨災害に被害軽減のための課題を整理した。