阪神高速大和川線の泥土圧式シールドトンネル工事からの大量の発生土の処分方法が課題であったため,個別指定制度を活用して,シールド発生土(建設汚泥)を海面埋立用資材として再生利用する「シールド建設汚泥再生活用事業」を実施した。本事業では,要求性能を満たす埋立用資材(コーン指数400 kN/m2以上,pH = 6.0 ~ 9.0)を,トンネル掘削工事の進捗を妨げることなく安定的に製造するための,再資源化処理に関する品質管理技術の確立が要求された。本論文では,土質試験及び化学試験の項目や頻度等を策定した品質マニュアルにより,適正な埋立用資材を製造する品質管理技術を提案,運用し,約95万m3のシールド発生土から,土壌汚染対策法指定基準に適合する埋立用資材の安定供給の実現したことについて報告した。このリサイクルプロジェクトの実施により,建設汚泥の有効かつ適切な再生活用を達成できただけでなく,既存最終処分場の延命化や,周辺環境への影響の低減,リサイクルコストの削減など,多くの成果と知見が得られた。