本研究では,再生製品を対象とした溶出パラメータ取得のためのバッチ溶出試験において,撹拌操作時の粒子磨砕の低減と溶出平衡時間の短縮を両立することを目的に,撹拌条件の検討を行った。ヘッドスペースが最小限となるよう試料と純水を入れた容器で,5種の撹拌条件の溶出試験を実施し,試料の細粒分の含有率と粒子径分布の変化および接触時間 7 日までの溶出量推移を測定した。その結果,試料をナイロンネ ットで底面から浮かせ,600 rpmでのスターラー撹拌を行う条件において,溶出前後の細粒分増加量が5%未満で,かつ2日以内にナトリウムやホウ素など易溶性の元素種の溶出量の増加が安定したことから,液固比バッチ試験等の溶出パラメータ取得を目的としたバッチ溶出試験の撹拌条件に適することが示された。